citeタグ -出典や作品のタイトルを示す|HTML辞典

<cite>タグとは?

<cite>タグは、HTML文書内で「出典(引用元)」や「作品のタイトル」を示すためのタグです。
デフォルトではイタリック(斜体)で表示されますが、あくまで意味的なマークアップであり、視覚的な装飾が目的ではありません。


基本情報

コンテンツモデル

フローコンテンツ(Flow Content)、フレージングコンテンツ(Phrasing Content)

インライン要素として扱われ、引用元の著者名や作品名を示すために使用されます。

閉じタグの有無

<cite>は開始タグ(<cite>)と閉じタグ(</cite>)の両方が必要です。

基本的な記述方法

<cite> を使用すると、テキストがイタリック体で表示され、出典を明示できます。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <title>citeタグの例</title>
</head>
<body>
    <p>「<cite>星の王子さま</cite>」はサン=テグジュペリによって書かれた名作です。</p>
    <blockquote>
        "本当に大切なものは目に見えないんだ。"
    </blockquote>
    <p><cite>― 星の王子さま</cite></p>
</body>
</html>

ポイント:

  • <cite> は書籍・映画・音楽・論文などの「作品のタイトル」を示す際に使う。
  • 著者名の記述にも使われるが、人物の名前単独ではなく、作品とともに記載するのが適切。
  • デフォルトではイタリック体で表示されるが、CSSで変更可能。

使用できる主な属性

<cite>タグには特別な属性はありませんが、一般的なHTML要素の属性を使用できます。

属性名説明
classCSSのクラスを適用<cite class="source">...</cite>
id一意の識別子を設定<cite id="book-title">...</cite>
styleインラインスタイルを適用<cite style="color: gray;">...</cite>

CSSを使ったデザイン変更

<cite> のデフォルトのイタリックスタイルを変更したい場合、CSSを活用できます。

カスタムスタイルの適用

cite {
    font-style: normal;
    color: #555;
}
<p><cite>星の王子さま</cite> はフランス文学の名作です。</p>

<cite> の適切な使用例

作品のタイトルを明示

書籍、映画、音楽、芸術作品などのタイトルを示すのに適切です。

<p>私は <cite>ロミオとジュリエット</cite> を読んだことがあります。</p>

論文や記事の出典を示す

学術論文やWeb記事の出典を示す場合にも使用できます。

<p>この理論は <cite>相対性理論</cite> に基づいています。</p>

著者名とともに使用

著者名だけでなく、作品名と一緒に記述するのが適切です。

<p><cite>風立ちぬ</cite> は堀辰雄による作品です。</p>

<cite> の適切でない使用例(誤った使い方)

単なる強調目的で使用するのはNG

作品のタイトルではなく、ただの強調目的なら <strong><em> を使うのが適切です

<!-- NG:作品のタイトルではなく、単なる強調として使用 -->
<p>この映画は <cite>とても面白い</cite> です。</p>

正しい書き方(<strong> を使用)

<p>この映画は <strong>とても面白い</strong> です。</p>

Webサイトや企業名には使用しない

企業名やWebサイトの名称は作品ではないため、<cite> を使うのは不適切です。

<!-- NG:Webサイト名に <cite> を使用 -->
<p>詳細は <cite>Wikipedia</cite> を参照してください。</p>

正しい書き方(そのままテキストとして記述)

<p>詳細は Wikipedia を参照してください。</p>

正しい書き方(リンクを使用)

<p>詳細は <a href="https://ja.wikipedia.org/">Wikipedia</a> を参照してください。</p>

<cite> と他のタグの違い

タグ役割視覚的な変化意味の強調
<cite>作品のタイトルや出典を示すイタリック(デフォルト)あり(SEOに影響)
<em>文章内で重要な部分を強調斜体(デフォルト)あり(SEOに影響)
<strong>意味的に重要な部分を強調太字(デフォルト)あり(SEOに影響)

使用上の注意点

出典や作品のタイトルにのみ使用する

  • 単なるテキストの強調ではなく、作品や出典の明示に使うのが適切。
  • 論文や記事のタイトルを示す際にも有効。

Webサイトや企業名には使用しない

  • Webサイト名や会社名には <cite> を使わず、通常のテキストとして扱う。
  • 必要なら <a> を使ってリンクを設定するのが適切。

関連タグ

  • <blockquote> – 長い引用(段落単位)
  • <q> – 短い引用(インライン)
  • <em> – 文章の意味的な強調(斜体)
  • <i> – 装飾目的の斜体
  • <span> – インライン要素のグループ化(カスタムスタイル適用に便利)

まとめ

<cite>タグは、HTML文書内で出典(引用元)や作品のタイトルを示すためのタグ です。
書籍・映画・音楽・論文などのタイトルを明示する際に使用し、SEOにも影響を与えることがあります。
単なる強調目的やWebサイト名には使用せず、適切な意味を持たせて使うことが推奨されます。