blockquoteタグ -引用文を表す|HTML辞典

<blockquote>タグとは?

<blockquote>タグは、HTML文書内で「引用文」を表すためのタグです。
長い引用や段落レベルの引用を明示するために使用され、デフォルトではインデント(字下げ)が適用されます。

基本情報

コンテンツモデル

フローコンテンツ(Flow Content)、セクショニングルート(Sectioning Root)

ブロックレベルの要素として扱われ、独立した引用部分を表します。

閉じタグの有無

<blockquote>は開始タグ(<blockquote>)と閉じタグ(</blockquote>)の両方が必要です。

基本的な記述方法

<blockquote> を使用すると、文章がインデント(字下げ)され、引用部分であることが明確になります。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <title>blockquoteタグの例</title>
</head>
<body>
    <h2>有名な言葉</h2>
    <blockquote>
        "成功とは、失敗を重ねても熱意を失わないことである。"
    </blockquote>
    <p>― ウィンストン・チャーチル</p>
</body>
</html>

ポイント:

  • <blockquote> はブロックレベルの要素であり、引用部分全体を独立した段落として扱う。
  • デフォルトではインデント(字下げ)が適用される。

使用できる主な属性

属性名説明
cite引用元のURLを指定<blockquote cite="https://example.com">...</blockquote>
classCSSのクラスを適用<blockquote class="quote">...</blockquote>
id一意の識別子を設定<blockquote id="famous-quote">...</blockquote>
styleインラインスタイルを適用<blockquote style="color: gray;">...</blockquote>

cite 属性を使った引用元の指定

cite 属性を使用すると、引用の出典(URL)を示すことができます。
ただし、cite 属性はユーザーには表示されないため、明示的に <cite> タグを使って出典を示すのが一般的です。

<blockquote cite="https://example.com">
    "知識とは力なり。"
</blockquote>
<cite>― フランシス・ベーコン</cite>

CSSを使ったデザイン変更

<blockquote> のデフォルトのスタイルを変更したい場合、CSSを活用できます。

カスタムスタイルの適用

blockquote {
    font-style: italic;
    color: #555;
    border-left: 4px solid #ccc;
    padding-left: 15px;
    margin: 20px 0;
}
<blockquote>
    "未来を予測する最良の方法は、それを発明することだ。"
</blockquote>

<blockquote> の適切な使用例

長い引用(段落単位の引用)

文章全体を引用する場合に使用するのが適切です。

<blockquote>
    "成功の秘訣は、常に努力を続けることである。"
</blockquote>

記事や研究論文の引用

他の著作物や記事を引用する場合にも使われます。

<blockquote cite="https://example.com">
    "最新の研究によると、毎日の運動が健康に与える影響は非常に大きい。"
</blockquote>

<blockquote> の適切でない使用例(誤った使い方)

短い引用に使うのはNG

短い引用や単語単位の引用には <q> を使うのが適切です。

<!-- NG:短い引用に <blockquote> を使用 -->
<p>彼は <blockquote>最高のリーダー</blockquote> だと言われている。</p>

正しい書き方(<q> を使用)

<p>彼は <q>最高のリーダー</q> だと言われている。</p>

デザイン目的で使うのはNG

単なるデザイン目的なら、CSSを使用するのが適切です。

<!-- NG:デザイン目的だけで <blockquote> を使う -->
<blockquote style="font-weight: bold;">重要なメッセージ</blockquote>

正しい書き方(CSSを使用)

.important-message {
    font-weight: bold;
    color: red;
}
<p class="important-message">重要なメッセージ</p>

<blockquote> と他のタグの違い

タグ役割視覚的な変化意味の強調
<blockquote>段落単位の長い引用インデント(字下げ)あり(意味的な引用)
<q>短い引用(1文や単語)二重引用符「” “」が付くあり(意味的な引用)
<cite>出典を示すイタリック(デフォルト)あり

使用上の注意点

引用元を明示する

  • cite 属性または <cite> タグを使用して、引用元を明示することが推奨される。
  • 著作権のある文章を引用する場合は、必ず出典を記載する。

短い引用には <q> を使う

  • 短いフレーズや単語を引用する場合は、 <blockquote> ではなく <q> を使用する。

関連タグ

  • <q> – 短い引用(インライン)
  • <cite> – 出典を示す(著者名や作品名)
  • <p> – 段落の作成
  • <span> – インライン要素のグループ化

まとめ

<blockquote>タグは、HTML文書内で段落レベルの引用を示すためのタグ です。
デフォルトではインデント(字下げ)が適用され、SEO的にも「引用された文章」として認識されます。
短い引用には <q> を、出典を示すには <cite> を使うのが適切です。
デザイン目的ではなく、適切な意味を持たせて使用することが推奨されます。